2013年 12月 21日
遺伝子がどうなれば進化という現象がおきるか 下北自然学巣 大八木 昭 『せーんせ、なにかもたもたしてなーい。ホントは進化がわからなくなったのでないの?』 あほたれ、今までわからないひとに知ってもらおうとして、生殖隔離とかいう事を言ってきたんだ。 右巻きのカタツムリからどうして左巻きのカタツムリが進化したかを理解するためには 生殖隔離と遺伝子と遅滞遺伝の仕組みが理解できていないひとにはネコに小判なのじゃ。 だから、生殖隔離はだれでもすぐ分かるけど遅滞遺伝がわからんひとは多いと思うんだ。 そこ右巻きマイマイの進化を理解する布石としてカタツムリの右巻き左巻きその6を書いたんじゃ。 あとは、なんもいらんのじゃ。言ってみれば遅滞遺伝だけわかっていれば俺の進化論がりかいできるのじゃ。 おれは、ていねいに説明しようとゆっくりゆつくりカタツムリのようにやつているのさ。むずかしいことは何もないんだ。 ただね、上島・浅見両先生の意見と根本的に違うとこがひとつあるのだ。 それは、突然変異がおきて右巻になったり、左巻きになったりしていると『日本語で』説明しているところなのだ おれの考えは突然変異でないんだ。 エンドウの遺伝では最初から種子の形が丸型としわ型がありました。丸型の純系をつくりました。しわ型の純系を掛け合わせましただったろ。 エンドウという植物があるときに丸としわとあるだろ。これは、突然変異かー 突然変異がおきて丸ができたか?突然変異がおきてしわができたかー おまえさ、カタツムリはそとにでてみれば右巻きも左巻きもいるよね。 人間に右の方に肝臓があって胃の出口があって盲腸があって大腸のぐるんとまわるのはへそに向かって時計回りが普通だろ。 これがいわゆるカタツムリでいえば右巻きよ。人間全員が盲腸になって切るときに、左に盲腸があったことが数例出て来る可能性は考えられると思わない。 日本のカタツムリはミトコンDNAの解析で右巻きのカタツムリが最初に分布したんのよ。 生命の起源は右にむいたものと左にむいたものがあったけど、なぜか地球では右の方が出てきたのでないの。 手だって二本だろ足だって二本だろ、正中線上のしっぽだって左右に分けられるだろ。 前後上下を分ければ左右も分けられるだろ。 第1卵割で左右が分けられるのだろ。 だから、右巻きがあるということは右に巻けという遺伝子はあったとしていいでしょ。それをDとします。 なぜなら、過去の研究で巻貝の右巻きは左巻に対して優性であるといっているのですから。 じゃあなぜ日本のマイマイでは左巻きの遺伝子は突然変異と上島・浅見先生はいうのかな。 右と言うことは左があるから言えるのでしょう。 もう一度いうけど 過去の研究で巻貝の右巻きは左巻に対して優性である、そしてその巻は遅滞遺伝の方式で遺伝すると言っているのですから、 私は右巻きも左巻きもそのつど突然変異で左巻きができたなんて考えることが正しいとは思わないのです。 だから左巻きの遺伝子をdとして説明するのです。 最初からDとdはあるとします。俺の理論です。あるのです 日本の東北の青森県の右巻きの遺伝子を優性遺伝子Dとします。左巻きの遺伝子を劣性遺伝子dとします。 遅滞遺伝なので巻を見ただけでは遺伝子がわかりずらいのです。 >DDでもDdでもddでも右巻きがいるだろ。Ddでもddでも左巻きがいるしさすがにDDにひだりまきはいないのー、あたりまえかDをふたつそろえるためには母親からもひとつDをやらんきゃならんのだ。 遅滞遺伝を判っている人、初めてここを読んだひとは、分かるでしょ。 ヒダリマキマイマイをみたらこれは左巻きですから DDではありえない。Dd か dd であると。 アオモリマイマイをみたらこれは右巻きですからDDでもDdでもddでもいいのです。 さて、どこかにDdとddのヒダリマキマイマイが流れ着きました。全部成貝とします。 DdとddとDdとDdのかけあわせです。寿命を7年ぐらいにします。一年に一回の交尾で各々(雌雄同体ですから)100個ぐらいの卵をうんでも4匹、4匹ぐらいしか成貝になれないとします。卵を生めるのを早めですが3年経てば生めるとします。5年間、移動せずにその土地で生んだとします。 いちばんアオモリマイマイの定着しにくいかけ合わせはDdとddです。一匹ずつですと、卵を100個産んだとして4匹成貝になったとしてもほぼ6年後には、ながくて8年後には出てきたアオモリマイマイは交尾相手がいないので死に絶えるでしょう。 現在アオモリマイマイがいるということは死に絶えなかったと言うことでアオモリマイマイのでにくい組み合わせで一匹のDdと多数のddとします。 そうするとDdが生んだアオモリマイマイは4匹は成貝になったとしてもほぼ6年後には、ながくて8年後には出てきたアオモリマイマイは交尾相手がいないので死に絶えるでしょう。 しかし、Dの遺伝子は相手に移動していくのです。9年後あたりには64匹の成貝のうち12匹はアオモリマイマイ12匹はDdやddをもったアオモリマイマイなのです。 生息地に成貝が64匹もいて繁殖活動すると言うことは観察の結果では考えられません。狭い繁殖地に12匹のアオモリマイマイとヒダリマキマイマイがどのようになればいいのかを 考えてみて下さい。 といわれて考える人はいるのでしょうか。それは考えるだけ時間だけの無駄ということです。 結果は出ているのです。広範囲にアオモリマイマイが分布していると言うことが。そしてヒダリマキマイマイも分布していると言うことが。 もうすでに、秋田県のヒダリマキマイマイとアオモリマイマイの分布を示してあります。 秋田県にも両種が分布します。私の論理にあう図は1976年の分布図です。2000年のは信頼度の低すぎるデータとして、破棄します。(矢野重文先生も同意されるでしょう。私は1976年の分布図か青森県における分布図と同じだということで信頼おけるとしたのです。) ヒダリマキマイマイとアオモリマイマイの分布は重ならないのです。 何故かを説明せよといえば、いろんな場合を想定できます。 しかし、それを想定することは無意味です。なぜなら、現在の秋田県と青森県2県それぞれ両種の分布は重ならないという結果になったのですから。 これをいろいろ数式で想定し、確率で推定して、やることは時間の無駄です。いつ隕石が落ちたのか、海岸線がどうであったのかなったのかもだれも分からないことで入力数値を誰が分かるというのでしょう。 二県では両種の分布が接するところがあります。 接すると言っても秋田県では川を境に接しています。だからわかれているのでしょうか。いや接しているのです。わからんので説明してくれといえばせつめいしますが、めんどくさいのです。 青森県での私の場合は採集個体数が多く分布図を書くには膨大な時間が必要です。 しかしそれを示してまたあとで説明します。 あー疲れた。 『せんせ、大丈夫? 理解してくれると思う?』 まっ突然、この人何を云ってるんだろで終わる人ばかりだろうと思うけどね。 『そーよね、メンデルの遺伝なんか死んでから認められたものね、何十年たっても判ってくれる人がいたらいいけどね』 『ダーウィンの時代とメンデルの時代、分子遺伝学が進んでいる現代では高校生でも得られる知識って雲泥の差だろ。今の高校生なんかがすごく有利じゃないの。 高校生が進化論を書けるじゃないの』 そーだね、今マイマイ、つぎモグラなどまだ染色体の本数による生殖隔離を話ていないし、アカネズミもミナミメダカとキタノメダカも話してないし、 染色体は同じでありながらおこる生殖隔離も話さなければならないので、つかれそう。 む、高校生のできるやつ、これはてごわいな。でも俺が高校生と違うのは青森県の自然の生物を誰よりも35年間みているということさ。 どこで、ヒダリマキマイマイとアオモリマイマイが出会ったか、私だけが知っているのよ。ははは。 恐山に1000回以上通ったやついるかー。 『おつかれさま、たわごとをずいぶん喋ってますねー、死んだらだれでも恐山にずっと永住ですよー』 ※ Copyright (C) 2005-2013 北のフィールドノート All Rights Reserved
by snowmelt
| 2013-12-21 23:40
| シコウノトモコで考えること
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