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2013年 04月 26日

創造はコンピュータの電源を切ることから始まる

地球物理学者 赤祖父俊一著の「知的創造の技術」日経プレミアシリーズの本の帯についていたことばです。
 本を読んで、自分を激励するために、合点することを書き出してみました。ただそれだけです。
 
 1.コンピュータは研究の道具でしかない、コンピュータで独創的な研究はできない。

 2.「真理とは永遠ではない」アインシュタインの「光速を越えるものがない」ということさえ反証実験がなされている。

 3.ある科学分野でいわゆる「常識」となっていることを「パラダイム」と呼ぶ。
 科学の歴史上の一時点で「真理」とよばれるものは、その時点において専門家の間で、一致した意見、すなわち、1つのパラダイムでしかない。
その真理は本当の真理ではなく次々と変わっていく。それが進歩なのである。
 旧いパラダイムをうち捨てて、はじめて難問題の解決の糸口が発見されていることが多い。
 旧いパラダイムを信ずる科学者にとって新しいパラダイムは奇異、また脅威に思われる。
長年旧いパラダイムに沿ってきた研究者は、その基盤を失うことになってしまうからである。それで、新しいパラダイムをつぶしにかかる。しかし、旧いパラダイムが負けたとしてもそれは決して無駄にはならない。旧い真理が新しい真理の踏み台になることが多いからである。

 4.「真理」とその根底になるパラダイムが長い間信じられれば信じられるほどその学問の進歩は遅れることにもなりうる。

 5.科学は常に進歩する。進歩すると言うことは、現在の知識が不十分か、誤っているためである。言葉を換えて表現すれば科学の知識は常に改革が必要と言うことである。
したがって科学を進歩させるということは、観測や実験を基礎として、現在広く信じられている理論と合わないことを発見することである。必ず合わない事実があるはずである。それが見つけれなければ、研究者としての資格はない。

 さあ、コンピュータの電源を切ろう。

by snowmelt | 2013-04-26 22:41 | Comments(0)
2013年 04月 22日

エゾホトケドジョウの報文(青森のは移入ではない)

「エゾホトケの青森県下北半島における分布と北海道産との形態比較」について

去年の10月から3ヶ月ぐらい、

山にも行かず、

ブログの更新もせず、

それでいて病気でもなく

家で頑張っていた報文が印刷されました。

別刷りを昨日受け取ってきたところです。
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今まで、淡水魚のカテゴリーでちょこちょこ出してきたのですが

青森のエゾホトケドジョウは一般に移入といわれているけれど

移入か否かといえば、ほぼ否だという人は私ぐらいなものなのです。

学者さんは論文を信じたり検討したり判断したりしかしないものみたいです。

『エゾホトケは北海道の石狩低地帯あるいは少し西の黒松内地域より東に分布するものである。

それより西南には見られないもので北海道特産種である、よって

北海道黒松内より西南にいるエゾホトケは人為的に移入したと考える』というのが学者の考えなのです。


私はフィールドで直に現物をみて考えるというふうにできていますので、

人の書いたことはうのみにはしないのです。

青森県の岩木町(今は弘前市)でエゾホトケが見つかったときに、『聞き取りによって藤崎のドジョウ仲買業者が北海道の岩見沢付近からドジョウ(まどじょう、北海道では本州のドジョウという意味でナイチドジョウと呼ぶ食用ドジョウ)を仕入れたことがある。それを水田で畜養していたときに逃げたのがいる。その逃げたもののなかに食用にならないエゾホトケが混じっていた可能性がある。岩木町一町田で大量(50匹だと)に見つかったのはその可能性の逃げたやつが増えて隣町までいったに違いない』と書いた人がおるので、

岩木町のエゾホトケは移入であると一般に言われるようになったのです。

根拠は聞き取り調査です。
混じっていたに違いないという推測です。逃げたという推測です。増えたに違いないという推測です

推測しかないものは疑ってもいいでしょう。

岩木町のエゾホトケは新聞にも出たので公になりました。


下北半島にもエゾホトケがいました。

最初に報告したのは私なのですがこれも人為分布か自然分布か分からなかったのです。

そうしたら、

『下北は海に沈んでいる。

淡水魚がここに来るには人為的なことしかない。

東通村の目名というところにしかいないのだから?目名のエゾホトケも人為分布である。』


岩木町のも下北半島のも一緒くたに移入だと日本生物地理学会に書いた人がいたのです。

下北のは公になっていませんのであまり知られてはいません。

でも論文?を信じる学者さんは、信じるものはこれしかなかったのですから、

聞き取り推測を信じた学者さんは「青森県にもエゾホトケが分布すると言われているが、これは移入によるものだ」、と断定する人になり、

聞き取り推測をやや疑問的にみる学者さんは「移入によるものらしい」という表現になり、


聞き取り推測は疑問だとみる学者さんは「移入によるものか自然分布なのか明かでない」

という表現になるのでした。

環境省に関係している学者さん達は「移入」と決めつけているようです。

長々と書きましたがこれが前提でありました。

そこを、私は実際にフィールドを歩き、実物を見て、目名の一ヶ所ではないこと、北海道のエゾホトケと比べてここが違うということを示して、

「エゾホトケの青森県下北半島における分布と北海道産との形態比較」というタイトルで

北海道のエゾホトケと青森下北半島のエゾホトケには移入関係はないということを3ヶ月かけて書いたのでした。

北海道といってもひろいですからね、下北半島なんか何十いや百ぐらいはいるのですかね、

そこの黒松内より東にしたって広すぎです。広いけれど局所的にしかエゾホトケはいないようです、その中で

美幌町(網走川)、豊頃町(十勝川、札内川)浦幌町(利別川)といった道央から東半分しかみていないので

まだ、完全な結論には至っていないのですが、まずは東半分からの移入はないと結論したのです。


東半分と西半分で形態が違わないかどうか、これには疑問があります。

道央から南は日高山脈が東西をわけているのですから。

ニホンザリガニの場合、日高山脈が分布の東西を区切りにきわめて違うということです。

エゾホトケは樺太→宗谷と南下したのが網走→十勝と同じような形態のままです。

樺太→宗谷と南下したのが天塩→石狩→勇払とくる時はどうでしょう。

網走→十勝と同じように変化するとは思えないからです。少しは違うでしょう。

しかし、明治以前に牛馬の交通手段の時に、だれが下北半島の中の10以上の離れた水域に、食べもしないエゾホトケを北海道の黒松内より東から函館方面まで生かしてもってきて、

大間町に来ないとすれば青森港に入り、鉄道、牛馬で100km運んできて、さらに50kmはなれたところまで生かしてもってきて、移入してそれが増えていくということにならないと今の分布にならないのです。

大間に来たとしてもキノップ峠を牛馬で越えてむつの南端の近川まで、西は川内まで誰が行くのでしょう。

なぜ、明治以前牛馬の時代かと言えば、明治に陸奥湾には水雷軍の軍港要塞として立ち入りができないところができました。現在は防衛省の敷地内です。今はその中にエゾホトケもいるのです。だから要塞のなかに食用にもならないエゾホトケを放して離れた数カ所に定着させようとするならば、要塞ができる以前の明治以前の牛馬の時代ということしかないと思っています。

食用ドジョウは、なにも北海道に行かなくとも何処でもかしこでもいるわけですから、わざわざ北海道の黒松内より東でドジョウがいて、ドジョウを採ったときにエゾホトケが混じっているというものを本州までもって来ると考える人もすこしはいるのでしょうかね。

ここに「エゾホトケの青森県下北半島における分布と北海道産との形態比較」のPDFをおきたいと思いましたがどうやったらいいのか分からないので、ホームページの方におきました。
北のフィールドノートのホームページの右端の生物考(←ここをクリック)というところに PDFがあります。

by snowmelt | 2013-04-22 19:58 | 淡水魚類 | Comments(0)
2013年 04月 11日

ガメラレーダー J/FPS-5 ときぶし

下北の釜臥山の頂上にある通称ガメラレーダー。

前回は三沢をこえて太平洋のどこかに落ちたようだが,名指しで標的候補を言うなんて・・。

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山のキブシはつぼみが膨らんでいることがわかる。

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雪解け水がたまるプール3ヶ所のうち,2ヶ所は水が溜まることなく干上がってしまった。
今年はタマカイエビもヤマトウスヒメカイエビも発生はないことになった。

by snowmelt | 2013-04-11 22:44 | Comments(1)
2013年 04月 10日

キタホウネンエビ今年はどうだろう

今年はキタホウネンエビにとって雪は多かったと思ったらそれは甘かった。
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by snowmelt | 2013-04-10 22:29 | キタホウネンエビ | Comments(0)
2013年 04月 09日

クジャクチョウとキクザキイチリンソウ

雪の残るうちからよく見るチョウはなんといってもクジャクチョウでしょう。
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春だなあと感じます。

北海道で残雪のある春の頃クジャクチョウをつかまえて雪に穴をほって中に入れ,

冷蔵庫状態にしたつもりでしばらくして,

かたまったかなと中をのぞいたけれど,何のダメージもないかのように飛びたっていった記憶があります。

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後翅の模様はネコの目に見えないでしょうか。ネコ顔に。
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キクザキイチリンソウは場所によって色がかなり濃いのではと思うことがあります。
これは東通村のものです。
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キクザキイチリンソウは,見始めはおうあったなとよーく見ますが,
いっぱい咲いてしまうと,素通りですね。

by snowmelt | 2013-04-09 20:00 | 昆虫 | Comments(0)
2013年 04月 09日

弘前市のホンモンジゴケ

ホンモンジゴケの北限はいまのところ青森市あたりだ。

銅屋根や銅の大仏の下にあるが,私は2年前,北海道江差町で銅屋根の下をさがしたが見つからなかった。

前記事の「銅ゴケの不思議」にはホンモンジゴケの不思議について,75ページにわたって綴られている。

銅屋根や大仏の下にしかなかったのは何故なのか

から始まり,銅は付着しているのか,

細胞に入っているのか,

細胞のどの部分に入っているのか,

分かれば次々と湧き出る不思議の連続,楽しい興味の連続を解き明かしていく緻密な作業と思考。

一種の生物を超一流の思考と技術で読み解き,75ページにわたって書けるということは驚嘆だろう。

そして,ホンモンジゴケのみならずなのだから。

ものを知っていると言えるのは,そのものについて少なくとも100以上のことをいえなければ知っているとはいえないと,地球物理学者だった竹内均が書いていたはずだが,

一種だけを人生一生かければそりゃ100ぐらいは分かるだろうが,一種に一生かける根気は続くかな,続かないねきっと。あーあ。

弘前のお城にはホンモンジゴケがありました。

お花見のときに,何十万人という人が集まるけれど,ホンモンジゴケを気にとめた人はいままで何人いただろうね。

知らないことは見えないこと。私も,教えられるまでは。

そこを自分で見えるようになるように感覚を研ごう。

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追記・長勝寺にもホンモンジゴケがあったのですが,銅屋根を張り替えたため消滅したそうです。
    ホンモンジゴケは銅屋根になってから20年ぐらいは経過したところで見つかっているそうです。

追記・ホンモンジゴケの探し方

見分け方はありますかとの質問があったのですこしずれてるかと思いますが回答しました。

写真を添えます。

こちらは、青森市の寺のものです。

銅屋根の下にはこんな苔たちがありました。
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この中で、ホンモンジはどれかと云えば、真ん中のコロニーと奥のコロニーです。
拡大すれは゛、
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です。

by snowmelt | 2013-04-09 00:51 | コケ類 | Comments(2)
2013年 04月 08日

ヤマアカガエルの蛙合戦の幕開けおいかけ

すでにオスが抱きついているように見えますが,メスを追いかけるオスたちです。


スローモーションにしてみます。


ヤマアカガエルの蛙合戦はおっかけから始まるかと言えばそうでもないように感じます。

すでにオスがしがみついているようだからです。

これをひきはがすことはまず無理でしょう。

だから勝負あっただと思うのですが,

この追いかけで,跳躍能力のあるものがメスを獲得できるというなら自然淘汰の理由もつけられそうですが,わかりません。

動体視力はすごいと思いますが,止まった目標にはまず到達しません。相手は潜るし。

ヤマアカガエルの蛙合戦は2010年に撮ったものがよかったと思っています。
ついでにここにのせます。(少し長いけれど)


by snowmelt | 2013-04-08 15:41 | カエル・サンショウウオなど | Comments(0)
2013年 04月 08日

ヤマアカガエルの産卵・その後の行動

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ヤマアカガエルの産卵の様子です。抱きついたオスが後ろ足をこすり合わせるような動作と同時に卵が出て来るようです。
生み終えたメスに,そのオスは未練など全くなく,離れ去ります。

メスは,産卵で絞りきってヒモノ状態でしばらくいます。

そのヒモノ状態に他のオスが抱きついて,足をこすり合わせて(放精しているのか)いるのが写っています。

ヒモノ状態から復帰するまで,最初は「死んだか」と思いましたよ。

最初と二つ目のシーン(2ペア)までが,正常産卵でオスは離れていき,三つ目のシーンからは産卵後に他のオスが抱きついたり,また他のオスが抱きついて,足こすりするシーンです。(メスは全部別個体)

by snowmelt | 2013-04-08 11:43 | カエル・サンショウウオなど | Comments(0)
2013年 04月 08日

ヤマアカガエル蛙合戦事故

ヤマアカガエルはメスが足を動かし移動できるということが正常な産卵に至る条件です。
ところが,下半身や足近くに抱きつくオスがいると,メスの足の動きが不自由になり,次からつぎへと多くのオスが抱きつくことになり,腹にまで抱きつくものもあり,メスは圧死あるいは窒息死してしまうのです。
ナンマイダー。


by snowmelt | 2013-04-08 11:29 | カエル・サンショウウオなど | Comments(0)
2013年 04月 06日

銅ゴケの不思議 佐竹研一著

佐竹さんは私の敬愛する人です.

年は3つぐらい上で,大きな人です.(私に比べれば誰でも大きなひとなのですが)

「佐竹さん」などと気安く呼んでいますが,

立正大学の地球環境科学部の教授さまで本当は気安くは呼べないのですが,以前からのつきあいで図々しくもずっと佐竹さんで通しています.

この度,佐竹さんが 銅ゴケの不思議 という本を出版しました.(2013年3月27日)
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「銅ゴケCopper mossとは重金属を高濃度に蓄積するコケ植物の総称で,その研究を中心に紹介」している本です.
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「コケ植物重金属蓄積30年の研究成果を中心に雑感を加えて」,一般の人にむけて書かれています.

佐竹さんは「重金属を特別に蓄積する植物はないか」とのテーマが研究所内で通り,

その植物を「発見」する研究の旅に1980年4月に出発したのでした.

「どれだけ植物を集めて分析すれば,発見できるかの保証はなく,見つからないからと諦めてしまえばそこで未発見のまま終わってしまう研究の旅である.」

1980年の「暮れまでに全国から集めた相当数の試料を分析したが,実は目的とする重金属を蓄積植物を発見することは出来なかった」

来年度もこれを続けられるか心苦しく,念のため,それまでの相当量の分析スペクトルを見直していた.

そこで「1試料だけ少し気になるスペクトルがあるのに気がついた.」

それは,1980年9月に採集とある,恐山の頭無川(かしらなしがわ)の植物だった.

そして,はしょると,もっと源流のその植物,コケだったのだが,チャツボミゴケだったのだが,それには,高濃度の水銀が蓄積されているという世界初のことが分かったのだ.それが佐竹さんの銅ゴケ研究の不思議の旅のはじまりだったのです.

1980年5月頃だったと思いますが,突然田名部高校の生物教師として勤務していた私のところに手紙がきました.「恐山の水をポリ瓶に2リットルとって」ほしいとの依頼だったと思いますが,その手紙が国立公害研究所総合研究官の佐竹さんとのはじまりでした.「ハイよ」と車を走らせて採ってきて,水を送ったのです.

忘れたころ,9月に恐山に行きたいが案内してくれますかとの手紙があったのです.

「ハイ,OKです」と言って,大湊駅に降り立って現れたのがにこやかな大きな佐竹さんだったのです.

一緒に宇曽利湖の周りを歩き,佐竹さんは泥に手を突っ込みミズバショウの根をポリ袋に入れる.

泥にまみれあるいはしたたる泥手を流れる沢で洗いもせず,黒縁の角形メガネの奥の眼はにこやかに土泥からでている植物を採集している.

私はどれこれ手伝いはしていません.

ただ,頭無川のところに来たとき,私は湖に流れこむ沢の中でこの沢のなかにだけ水中植物があることを知っていました.

藻ではないけれどなにか分からないその植物を「ここだけにある植物なんですが,種が分かったら教えて下さいと手渡し示したのです.

これが,実はチャツボミゴケだったのですが.(当初はミズウロコゴケでしたとの手紙がありました.田名部高校生物部誌青苔(あおごけ)15号p108に書いておきました.)

「1試料だけ少し気になるスペクトルがあるのに気がついた.」

というのがこのチャツボミゴケだったのです.

いや,ムラサキヒシャクゴケだったかもと思います.

今でこそ,佐竹さんのおかげで,あそこには3種類の水中コケがあるという事が分かりましたが,ムラサキヒシャクゴケのほうが,圧倒的に多いのではないかと思っています.

ですから採った確率からするとチャツボミゴケにあたる確率より,ムラサキヒシャクゴケを採ってしまう確率がきわめて高いと考えられます.


佐竹さんは土に生えている植物をおもに採集していたのではなかったかと観察されます.

でもこのときの私のこれはなんという植物なのか知りたいということがなければ,

水中コケはまだ,世の人の知らないところでせっせと水銀を蓄積していたかもしれないのです.

こう考えると,私もなかなかやったのじゃないと微笑みたいのですがねーー.


この前,佐竹さんがお話をしてくれました.

『ボクは夢を見ました.

散歩していると,誰かが呼んでいるのです.

後ろを振り返っても誰もいない.

でも呼ぶ声がする.

下をみると石ころが呼んでいるのでした.

「僕はいつも呼びかけているんですが,なかなか誰も気づいてはくれないんですよ.」

なかなかいい話でしょ(笑い)』

こんな具合なのです.

「銅ゴケの不思議」は,どういうふうに研究していったか,研究の成果とつぎつぎ連続する疑問を写真,図,スペクトルグラフなどで,示しつつ書いています.

銅ゴケの「不思議」という感覚はなんなのでしょうか.

不思議という感覚はその人の中で湧き出てくる固有のものです.

なにを見たって不思議なことはありはしないという人もいれば,そうでない人もいる.

佐竹さんは重金属蓄積植物を探すという目的から,

ものを見て,不思議・分析・不思議・電顕・不思議・分析・不思議・・・不思議・と旅をつづける自然科学の旅人なのだと感じています.

何度か私の部屋に入って佐竹さんは,私の部屋にこういう名称がいいと言ってくれました

「大学を退官した先輩でナントカ学房と名乗っているひともいるけど,おーやぎさんのは巣だね,がくそう学巣というのがいいね.」それからあるときビールを吞みながら「自然学巣がいいね,下北自然学巣がいいね.Field Science Nest. 所属は英名もつけたほうがいいから,Shimokita Field Science Nest 下北自然学巣にしよう.かんぱーい」

ということで,私はそれ以来,下北自然学巣の主宰ということにしているのです.

本にはホンモンジゴケ,チャツボミゴケ,ムラサキヒシャクゴケ,ウカミカマゴケ,ホソバミズゼニゴケ,アオハイゴケ・・・・の不思議,生物モニタリングなどが出てきます.

表紙の小さい写真ですがホンモンジゴケの拡大写真は青森市の蓮心寺で私が昨年撮影したものを使ってくれました.中の写真にも使っています.

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つくばの株式会社イセブというところからの出版です.ISBN978-4-900626-10-2 c3040とありますので取り寄せれば買えると思います,2000プラス税でしょう.
昨日,家族のなかで自分一人だけ「出版記念カンパーイ」と孫のカルピスのコップとぶっつけてビールをあけました.



追記・佐竹さんと「ボクは,こんどコケの本をつくることになりました」と電話で話すうち,

「ボクはホンモンジゴケのいい写真がないのです。どんなレンズがいいですかね。インターネットでホンモンジゴケのマクロ写真を出してあるページがありますが,何のレンズをつかってるのかね。」

調べてみれば,トップページのカメラレンズはキャノンのMP60マクロという高い,いいレンズですよ。それでも,普通のマクロレンズでも撮れると思いますよと答えておいた。

その瞬間から,私はホンモンジゴケは撮っていないけれど,撮ってみるかと決心したのでありました。

葉は2mm内外のだ円状披針形なので,だいたいの写真はコロニーばかりで,一本の姿(茎葉体)がコロニーの中でわかるようなのは,なかなか無い。

よし,これを撮るにはと,私はカメラを考えたのです。

だいたい,APS-Cサイズで1600万画素が普通なのところ,2430万画素のSONY NEX7がいいと決めたのです。なんという衝動買い。

これには,今までのオリンパスのフィルムカメラのレンズが難なくつくし,流用がきく。
果ては,もっている機材でアオリも出来るはず。ということで2430万画素でホンモンジゴケを撮りに出かけたのでした。

表紙の写真は,葉が細胞一層で後ろが透けて見えるところをとっているのですがそこを見てほしいなー。

オリンパス・フィルムレンズ時代のOM80マクロにベローズをつけて,EマウントにしてSONY NEX7で,リモコンシャッターで振動をおさえています。

by snowmelt | 2013-04-06 13:20 | コケ類 | Comments(0)