北のフィールドノート

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2008年 12月 23日

オジマヒダリマキゴマガイ 標本写真 本州産

ヒダリマキゴマガイは全国にいます。オジマヒダリマキゴマガイは北海道だけであるとされてきました。これは本州初のオジマヒダリマキゴマガイでしょう。
ウェブ上に京都大学博物館というのがあって、貝類の標本番号285番にオジマヒダリマキゴマガイが登録されています。

ラベルの写真がおもしろい。
「Palaina (Adelopoma)pusilla paucicostata 」と書いてあって、「エゾヒダリマキゴマガヒ」 とあって「渡島」というふうに書いてあります。

ウェブの標本控えが17項目あり、7項目について埋めてあります。
標本番号: 285
学名:Palaina pusilla paucicostata
和名:オジマヒダリマキゴマガイ
標本備考:Palaina (Adelopoma)pusilla paucicostata  Pilsbry & Hirase エゾヒダリマキゴマガヒ
採集者英記:Adelopoma
採集地旧国名和記:渡島
産地:Oshima(=Oshima,Hokkaido Pref.)
とあります。

次の写真が青森県産のオジマヒダリマキゴマガイでしょう。私が同定したので確定はできませんが。まあ間違いはないでしょう。
オジマヒダリマキゴマガイ 標本写真 本州産_e0039759_11535941.jpg

オジマヒダリマキゴマガイ 標本写真 本州産_e0039759_11542331.jpg

オジマヒダリマキゴマガイ 標本写真 本州産_e0039759_11544634.jpg

オジマヒダリマキゴマガイ 標本写真 本州産_e0039759_21334540.jpg

次からの写真は、青森県東通村産のヒダリマキゴマガイを左に、オジマヒダリマキゴマガイを右においた写真です。
巻(層)数5.5と「体層上に幅広く糸状肋20内外現れる」(原色日本陸産貝類図鑑 東正雄)が良くわかると思います。

オジマヒダリマキゴマガイ 標本写真 本州産_e0039759_1156919.jpg

オジマヒダリマキゴマガイ 標本写真 本州産_e0039759_11565685.jpg

オジマヒダリマキゴマガイ 標本写真 本州産_e0039759_11573234.jpg

オジマヒダリマキゴマガイ 標本写真 本州産_e0039759_11575618.jpg

最後は左がオジマヒダリマキゴマガイで右がヒダリマキゴマガイです。
オジマヒダリマキゴマガイ 標本写真 本州産_e0039759_12254748.jpg

ところでこの和名は誰がつけたのでしょうね。全く気に入りません。
渡島支庁で採れたのなら「おしま」でしょうが。
北海道人でおしま、ひやま支庁をオジマ、ひやま支庁というなら、そいつはモグリでしょう。
渡島はオシマなのです。

なにをもってオジマなのか理解できません。
標準和名は絶対的なものではないのですからオシマヒダリマキゴマガイにしましょうと提案します。
あるいは、ラベルにあるエゾヒダリマキゴマガヒがなぜつかわれなかったのでしょう。まあ旧仮名遣いはやめて、エゾヒダリマキゴマガイの方がいいと思いますが。

なお、ここの写真につかったオジマヒダリマキゴマガイは2008.11.30 青森県むつ市で採集したものです。

by snowmelt | 2008-12-23 12:20 | 陸産淡水産貝類 | Comments(3)
Commented by tsuchihashia at 2008-12-24 12:58
こうして両種を並べて見ると違いがよく分かり、大変参考になりました。
それぞれ採集された場所は異なるようですが、環境も異なるのでしょうか?
Commented by snowmelt at 2008-12-24 22:26
オジマヒダリマキゴマガイの居たところは、やや湿気の多いところに思えましたが、そうでもないところにも居ましたので、まだ傾向はわかりません。
Commented by 矢野 at 2010-12-11 16:10 x
オジマヒダリマキゴマガイに関する貴兄の意見に賛成です。
標準和名については先取権はありませんので、
間違いは訂正すべきだと思います。
かって、オオウエゴマガイをオオカミゴマガイと呼んでいたそうですが、
「大上さん」の名前を「オオカミさん」と誤称したことによる
間違いであることが分かり、
オオウエゴマガイに訂正されたことがあります。
是非とも、「ちりぼたん」に投稿して、訂正してください。


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