北のフィールドノート

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2017年 03月 07日

北海道行き・黒松内へ

今年一回目の北海道行きでした。
そこでつくられたワインです。(ブドウがでしょう。)
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ブナは木でないということで橅・木で無いなどと書くのが一般的で、山毛欅と書くのもふつうでしょう。

ここはあえて木偏に貴いと書いてブナと読ませています。

なぜかというと北海道の黒松内(くろまつない)はブナの北限地として極めて知られたところだからです。
黒松内は小さな町ですが、貴重な北限のブナ林をまもり、地域の誇れるものとして古くから活動しているとききました。
北大の辻井達一先生などが昔からここを訪れ指導されてもいたようです。

元来、町の人の科学文化意識は極めて高く何十年も前から、誇れる自然を知ろう守ろうと町議会議員が率先して活動し、ここ10年くらいは「生物多様性保全」に力をそそいで来たとききました。

そして、3月4日に平成28年度、黒松内生物多様性保全奨励事業の成果発表会というのがあって
そこに行ってきたのでした。
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なんと選考委員というのがすごいのですよ。
委員長は中村太士教授です。並べて見ましょう

中村太士  北海道大学教授 森林生態系管理学
鷲谷いづみ 中央大学教授 元東京大学教授、生態学・保全生態学
中静 透  東北大学教授 生態システム生命科学専攻 : 進化生態科学
春木雅寛  北海道大学助教授 環境学 森林学

こんな人たちを毎年、選考委員に呼びよせ、発表会に呼び寄せるのですよ。黒松内町の人口は3000人に満たないのですよ。すごいことだと思います。

青森県のどこの町、村、市がこんな活動をやっているところがあるでしょうか。

むつ市はどうなんだろう。

下北ジオパークガイドブックでは、一万冊印刷して、(聞けば、校正をしないで一万冊印刷し)、配布した。その後、ひとつの有力者にとって気に入らないことを書いたため、ついでにウソも書いたため、なんと、配布した1万冊を回収に、はしったという。
回収できたのは半分以下らしい。さらに、執筆者には聞いた人にしか回収したことも知らせていない。

どこが校正ミスなのか、ウソ記事なのかウソ写真なのか、なんの検証もないまま、黙りを決め込み、3月には改訂版を出す予定だと聞いている。
1万冊を全くの無駄にする気なのだろう。
1万冊の執筆費用と印刷代とのむつ市の税金を全くゴミとして捨ててしまおうというのだろう。
その上で、この3月になんの検証もないまま、どんな「下北ジオパークガイドブック改訂版」を出そうとするのか。
むつ市には無駄金を監視するオンブズマンなどいないのだろうか。

むつ市のことはさておき、黒松内にもどりましょう。

黒松内でなにがあったかというと、黒松内生物多様性保全奨励事業のなかのブナセンター賞成果発表に行ってきたのです。
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「黒松内のエゾホトケドジョウはどこから来たのか?」エゾホトケ研究プロジェクトとして行ってきたのです。
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もちろん、山平先生が発表しました。
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以前から北海道の樺太など北方系由来の淡水魚(ヤチウグイ、フクドジョウ、そしてエゾホトケ)は黒松内あるいは石狩低地帯までで分布が止まっているという学説があったのですが、我々のプロジェクトチームは、それはどうなのかとエゾホトケの遺伝子で解析しようというしたのです。現在もしているのです。黒松内には古い遺伝子を持った集団がいるのです。なぜだろうと考えるわけです。

まだ、遺伝子だけでは証明しきれないところが絶対にあります。「ないことを証明」しなければならないようなものだからです。

中村先生は、なんくせをつけるのは必ずいるから、そういう人間はレフリーにしてくれるなというしかないでしょうねとのことでした。

前にも書いたかもしれませんが美幌町(びほろちょう)の博物館には学芸員が5人いるとききました。ちゃんとした専門研究性を身につけた学芸員です。美幌町の人口は2万290人だとあります。
こういう町に博物館があり、専門性を身につけた学芸員が5人配置されているのです。
青森県は全然及ばないなと、ため息がでますね。むつ市はまたまた、ため息もでない。

美幌のMさんからお土産をいただきました。
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まるまんま豚醤油とか、豚でつくられた醤油らしい。こういう開発も美幌でやっている。
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たのしいひとときでした。
今回は雪があればよくないかと用心しての汽車の旅でしたが、道路には雪はほとんどなく車でも来れたかと感じはしました。しかし本を二冊読めましたし、汽車で正解だったと思います。
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ここは内浦湾の長万部(おしゃまんべ)駅です。ここから北上して日本海へむかい、2-30分のところに黒松内駅があります。北海道はカスベ(魚のエイ)の形にたとえられますが、しっぽの付け根一番くびれたところに黒松内町があります。いいところです。

黒松内クロマツナイはアイヌ語地名だろう。と調べなかったが、「黒松内町ブナセンター、ホームページ」に3月10日講師:平取町アイヌ施策推進課アイヌ文化保全対策室 学芸員/室長 吉原秀喜 さんを招いてブナセンターで、アイヌ語地名の講演や現地案内とのチラシをみつけた。
「黒松内もクル・マツ・ナイというアイヌ語からきています。どういう意味かしっていますか。その背景にある地形や自然、歴史をひもといてみませんか」とのチラシでした。参加料無料。人数制限はありますが、なんとこういう企画などどんどんとおこなっているのでしょう。黒松内町はすごいね。
むかし、ふるさと創成1億円を、1億円の金のこけしとして使った市などありましたが、黒松内は未来を見据えた使途にむけたのでしょうね。それが息づいているように感じます。

ブナ北限の里 黒松内町のブナは、地域住民のみならず他県の人からも身近にふれられる開放されたブナ林と感じられました。歌才(うたさい)ブナ林は国の文化財です、林内のものは一切採取出来ません散策路以外の場所に入らないで下さい、火気厳禁ということはあるけれど、ブナ林入口まで800㍍、そこから1200㍍までブナ林の中を散策できるという身近さは、活かされた自然林だと感じるわけです。

青森県の白神山地は、よく山を歩く人間ででさえ、行く気になっても、そうは出来ない、拒まれた、入っちゃならないというブナ林とは大違いに感じますね。白神のブナ林はマタギさえ入っちゃならない場所にしてしまったのですからね。ニホンジカが増えてきてどうなるのやら。世界遺産かもしれないが、拒絶された世界遺産ブナ林と感じますね。

そうそう、昭和41年の本ですが、アイヌ語地名解(更科源蔵)では「地名の語源に疑問があり、クルマッナイで、日本人の女がいる川といわれている。むかし、奥地の漁場にいる漁夫をしたつて来た妻女たちが、寿都付近の海で難破し、ここにとどまつたので名付けられたというのである。」とは書いてあるガ10日には、どういう説明がされるのか、行ってはみたいが、またフェリーで行くとなると二の足をふみますね。

黒松内を流れる川を朱太川(しゅぶとがわ)と簡単に呼んでいましたが、更科源蔵によると、「シュブキペツといつて茅の多い川という意味。この川筋にアイヌ人が五百人余も住んでいたのを、シュマ・テルケ・ウシというところに漁場を開くときに、労働者として移したので、場所の名をシュプキ場所といつたのが寿都(すっつ)になったと書いてありました。ことぶきの都ではなかったのですね。労働者として移したとあるのはアイヌ人を連れて行ったのだろうか。「シュマ・テルケ・ウシというのは石の上をいつも飛んで通る場所の意味がある」とあります。

by snowmelt | 2017-03-07 00:31 | 淡水魚類 | Comments(0)


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