2014年 09月 11日
オソルコッ・恐山にも通ず・白老町・虎杖浜というのを書いたが 昔を知っている人を紹介してくれるというので私は再び虎杖浜の民宿美鈴にやってきた。 民宿美鈴のご夫妻はむつ市の恐山参りのついでにむつ市の拙宅を尋ねてくれた。ありがたいことであった。その際に古い写真など集めて、昔の虎杖浜をよく知る人がいるよ。 今度虎杖浜に来たらその人を紹介するといってくれていたのだ。 その人は本間さんという。 朝、本間さんがやってきた。 何が知りたいかということで、この写真がどこなのか知りたいと切り出した。 ここはわかります。案内します。何のためらいもなくここだと案内してれた。 ここには30軒くらいあったかなという。 木が生えてわかりにくいけど右手の崖を画角にいれなければ 見取り図には川(ポンアヨロ川)が書かれていないが、川はあるときから危険河川となって海側のみんなは立ち退きをしたそうである。 上のお宮家並みは残ったという。 私が7月にここかなと思ったへこみには3軒の家があったという。3軒は早くに立ち退いてかたづけられたという。 30軒ぐらいのところには岩があってこの上に電信柱が立ててあったという。 実際にまだ柱の根元がのこって見える。 道路が山をまわってくると遠いので、お祭りの時などの通行はたいてい海の際の落ちそうな道筋を歩いてきたという。 映画を見にここまで来るという。 絶対にむこうのへこみではなくて、こちらが本の写真の場所ですよということだった。 海の岩をみればなるほどこちらかと思われる。 此処がオソルコッの海辺 此処がオソルコチの海辺。 コタンカルカムイ、あるいはサマイクル、あるいはオキクルミと呼ばれた大きな神様の尻餅の跡 ただし、まだ私には疑問にのこることがあるのです。 教えてくれたこの場所にはポンアヨロ川という小さな川が流れているのです。 昔からあったのではないかと思われます。 それならば、見取り図になぜ川筋が描いていないのでしょうか。 地名アイヌ語小辞典 知里真志保著の81ページの写真と見取り図は実はちがうところという推測はありえないだろうかという疑問です。 追記 2014.09.15 見つけました。見つけました。 本間さんは、ある本を借りてきてくれたのです。民宿美鈴にもよく来てくれていた、高田寅雄さんという方の 本でした。高田寅雄遺稿集 ふるさとアヨロ 上巻・下巻でした。 今朝借りてきておいたので、むつに帰るまでに必要なところを読んでそのまま民宿美鈴に置いといてということでした。 これはいいなと思うところをデジカメで撮しておきました。 その、上巻の 38ページからの「虎杖浜-地名の由来と上田円生 」白老郷土文芸 第4号 1984年に寄稿していたもののなかに、ヒントとなる事柄が書かれてあったのです。 それは、灯台の場所でした。 海図に虎杖浜の岬は「アヨロ鼻」になっているため、そこの灯台は「アヨロ鼻灯台」とよぶこと。 『その灯台のところがカムイエカシチャシ(神の先祖の砦)のあったところで』・ ・・・・『・灯台の下のポンアヨロに昔あったコタン(部落)』・・・・ 灯台の建っている場所が「カムイエカシチャシ」とよばれたところなのだと書いてあったのです。 ポンとは小さいというアイヌ語で川の名称はポンアヨロ川となっています。 虎杖浜には鮭ののぼるアヨロ川というのもすこし離れてあります。 つまり、見て下さい。 この見取り図の方。 『kamuy-ekasi の chasi』 の場所が、そこが灯台の場所なのだと云うことがわかったのです。 そして、海にむかって、灯台のところから左のへこみがオソルコッ Osorkochi なのだと。 7月24日にここではないかと思ったその場所が見取り図のオソルコッそのものでした。 本間さんが云った3軒くらいしかなかった方がオソルコッだったのです。 岩の上に電信柱を立てていたのはいまポンアヨロ川が流れるポンアヨロのコタン跡の家並みで海に向かって左の上に灯台があり、その左のへこみがオソルコッということと結論します。 7月24日には海霧でみにくかったのですが。 9月9日ははっきりと灯台があります。 7月24日の写真をのせて見ます。 この左端の岩の上の方に灯台があります。 向こうへ行って、向きをかえて灯台のほうを眺めます。 地図にまとめてみよう。 アヨロ鼻灯台の北にオソルコッがあり、アヨロ鼻灯台の南にポンアヨロ川がながれ、ポンアヨロ・コタン(部落)があったと結論しておこう。 以下・再・追記2014.09.28 実は、8月14日に民宿美鈴のご夫妻がむつに来てくれたときに、2枚の写真を持ってきてくれたのだ。 その写真の一枚をスキャンして載せてみます。 ポンアヨロ川集落30軒ほどあったという昭和30年代の写真です。これは本間さんがあげると渡してくれた写真です。 右のほうにポンアヨロ川が流れています。これは地名アイヌ語辞典の写真とはややちがう様には感じます。
by snowmelt
| 2014-09-11 22:40
| アイヌ語地名
|
Comments(0)
|
アバウト
山、沼,湿地などの自然と生物を写真と動画で記録しています。YouTube@Usori2 もご覧下さい。下北自然学巣 Shimokita Field Science Nest by snowmelt 検索
カテゴリ
全体 各カテゴリ内容一覧 シコウノトモコで考えること 考えることそれぞれ むつ市 ちほう新聞 風景 動物 鳥類 オオセッカ ベニマシコ マヒワ ミソサザイ 昆虫 オドリバエ トワダカワゲラ プラナリア 虫こぶ 酸性環境生物 陸産淡水産貝類 ヒダリマキモノアラガイ ミズコハクガイ カイエビなどの淡水生物 キタホウネンエビ カエル・サンショウウオなど 土壌動物 淡水魚類 恐山宇曽利湖のウグイ 海のいきもの 菌類 変形菌類 植物 フキノトウ コケ類 地衣類 シダ類 藻類 アイヌ語地名 自然現象 プロフィール マメシジミ類 海産貝類 プラナリア サハリン 芦崎アシザキ は虫類 ちほう新聞 風力発電はいいか悪いか 青森県行政 未分類 フォロー中のブログ
えびの抜け殻 レッツ ビデスコ! 蝶・チョウ・ゆっくり歩き... 鳥蝶ビデスコ 鳥・撮り・トリミング フォトパラダイス じいちゃん先生のトナカイだより 石神井公園の蟲日記 芦生原生林の博物誌 こんなものを見た kobosssblog 北海道の野鳥探索/mar... 北の貝の標本箱 こんなものを見た2 外部リンク
リンクブログ
最新のコメント
以前の記事
最新のトラックバック
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
ファン申請 |
||