北のフィールドノート

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2013年 09月 22日

民族衣装を着なかったアイヌ 瀧口夕美著 のことなど

副題--北の女たちから伝えられたこと--編集グループSURE 刊

新聞の書評にあったので注文して読んだ。

「瀧口」という名と「阿寒のアイヌ」という単語からもしやと思い、読みたかったのだ。

弟子屈にはたまにしか帰郷しないが、行ったときは必ず寄る阿寒のアイヌ部落にある店二軒があり、この著

者はその一軒の娘さんだったのである。
 

十四五年前に行って店にあった彫刻のすばらしさに惹かれたのだ。

ご主人は和人で奥さんはアイヌとわかる人であった。奥さんとはふたことみことしか言葉をかわしはしなかった

が、二階へむかう階段に新聞切り抜きがあってご主人・彫刻家の瀧口政満さんが紹介されていた。


なにせ彫刻に惹かれる。

少女の多すぎるほどの髪を風が吹きなぐる彫刻。

表面に刃物の跡を細かく細かくきざみつけた風に立ち向かう姿。

静止しているが、ものすごい風が吹いているそんな彫刻に惹かれたのだ。

ここは北海道観光地のたんなるおみやげブローチ店ではないことを見せられてしまったのだ。

その家のゆかりの人が「民族衣装を着なかったアイヌ」という題で何を書いているのかはいろんな書評にある

ので言う必要もないが、この編集グループSUREを調べるうちに、

彫刻家の瀧口政満彫刻作品集「樹のなかの音」というのも、ここから発刊されていることを知り、

また注文して見た。

「無数の刃あとの一つひとつが、微細な陰影をつくりだし、それ全体が、やわらかな光のなかに立っている。」

と本の帯には書かれている。 

写真で見ても、やはり、惹かれる。さいごの文の「私と彫刻」がまたいい。
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また、北海道に行きたくなってしまった。

by snowmelt | 2013-09-22 23:25 | Comments(0)


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