北のフィールドノート

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2005年 11月 23日

育雛中の鳥の巣の撮影は

 今年、白神山地でクマゲラの繁殖が確認できなかったと陸奥新報の記事がありました。
クマゲラは決して原生林にだけすむものではありません。伐採するときに残した木にも巣穴をほったりする、あまり木が込み入ったところを飛ぶことは好まない、ある程度の開けた空間が必要というキツツキです。人が近づくと、これには敏感で木の陰にまわってチラッとこちらの様子を覗う。繊細ともいえる神経です。

 白神山地のクマゲラは今どうなっているのでしょうか。地球温暖化で居なくなったのでしょうか。見えないどこかに行ったのでしょうか。奥赤石川地域のは高齢だったので死亡したという理由がありますがそれが最大のものでしょうか。
 自然に消えたと思う人はいないでしょう。

 昭和45年の頃、野鳥の写真がはやってきた時期でした。考えられない愚かな行為がありました。アオサギのコロニーで雛の写真を撮りたいからと、幹ごと切って梢の巣を下におろして「アオサギの巣と雛」という写真を撮りだした人が出てきたのです。これは最低の撮り方でしたが、よく見えるように枝を折るとか、茎を切るとか、道をつけたために外敵に捕られて育雛を失敗するなど、似たり寄ったりのことが出てきたのです。

 育雛中の鳥の巣を撮影するということは、正常な繁殖活動を妨げる危険を伴うことはそのころから野鳥の写真を撮る人たちには十分わかるようになっていたのです。

 白神山地が世界遺産になってからでもなる前からでも、人が入り込んで行く、写真を撮りに行く、ということはクマゲラにとってストレスが皆無ということはないのです。レンズよっては遠くからでも写真におさめることができるようにはなりましたが、繁殖活動を妨げる危険があると考えることができない人もまた増えてきたと「バーダー」でも書かれています。

 動物行動の映像データベースの作品の中に生け垣につくった巣で雛を育てるキジバトの映像があります。ピジョンミルクを与える親鳥などが撮影されています。きれいな画像です。育雛途中で雛がいなくなりました。外敵に捕られたのでしょう。突然に雛のいなくなった巣で親鳥が探しているような姿があります。鳥でも愛情らしさもあるし、世の中弱肉強食だからなと感じるのでしょう。ある意味お涙ですので一般投票で良い点が入っています。

 ところで、どうして外敵に捕られたのか、それを考えた上で評価したのでしょうか。
撮影するために生け垣の枝葉をよけて空間をつくっている。そこを外敵がかぎつけ雛を見つけ出し襲うはめになったと、見たなら感じませんか。もちろん枝葉をよけることをしなくても、外敵に襲われたかもしれません。しかし、襲われる度合いは格段にちがうものだったでしょう。

 この映像をみたある人は「雛がカラスか何かに捕られるところも撮せばもっと良かったのに」と言ったとき、一般の人の考えとはこういうものかとあきれました。小説にありましたが、スクープをねらって事故を起こさせるとか、以前には珊瑚にイニシャルを自分で描いて自然破壊として報道するとか、そんな世の中ですが、私には、これでいいのかよ人間は、と思うのです。
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by snowmelt | 2005-11-23 01:02 | 鳥類 | Comments(1)
Commented by chochoensis at 2005-12-22 08:07 x
snowmeltさん、はじめまして。私の「蝶・チョウ・ゆっくり歩き」にトラックバックしていただきありがとうございます。早速に訪問させていただきました。
すばらしい写真の数々で感心いたしました。
野鳥の育雛中の「巣」の写真を撮影するなんて、言語道断ですね、まして、キジバトやアオサギの巣のある枝を細工するなんて考えられませんこういう人がいると、善良なバードウオッチャーは迷惑するのです。
自然な状態をたいせつにしたいものですね・・・。これからもよろしくね。


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