北のフィールドノート

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2009年 09月 08日

オオウバユリ

大姥百合の実です。
アイヌの人たちはウバユリ(オオウバユリ)の鱗茎を採って食料にした。

昔、更科源蔵が北海道新聞にのせていた、アイヌの人たちの、コノハズクの物語を思い出してみよう。

----わたしは、生まれてまもなく、母が死んだので、祖母に育てられていた。

 祖母は、ある日、わたしをつれて、ウバユリを掘りに林に入った。

 揺りかごのわたしが泣くと、揺らしては、ウバユリを集めていた。

 すると、揺りかごのそばの悪い木が、わたしの体を、鳥にしてしまった。

 わたしが、泣くと、その声は、フチ トット(お祖母ちゃん お乳)、 フチ トット(お祖母ちゃん お乳)
になってしまった。

 祖母は、揺りかごのところに戻ってきたが、わたしがいないので、驚いて、声だけが聞こえるので、泣いて、泣いて、その木の下で、死んでしまった。

 それ以来、わたしは、コノハズクになって、フチ トット、 フチ トット、と鳴いているのです。----
オオウバユリ_e0039759_22231452.jpg

枯れた色になって、割れかけた、この坊主頭を振り回せば、千両小判の入れ物かと思えるくらい、たくさんの種子が舞い散ります。

by snowmelt | 2009-09-08 22:33 | 植物 | Comments(0)


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